第四回 カナダからの便り♪

K.Y

2010年10月07日 17:47

カナダからの便り  第四回                   2010年10月7日

バンクーバーの経済と住宅状況

過去40年間の経済状況を振り返って見ると、バンクーバーの住宅市場はリスクが極力少ない絶好的な投資物件であったと言えます。近年の住宅事情を具体的に分析して見ると、1990年前後 バンクーバーでは住宅建築ブームを迎え、時期を同じくして、世界一住み易い都市としてバンクーバーがヒンパンに選考されることとなりました。 それで住み易い生活環境を求めて世界中からバンクーバーに移住してくる人々で市が賑わいました。丁度この頃 香港がメインランド中国に帰属された事から、共産主義社会を敬遠する膨大な数の香港人がこぞってカナダに移住し、特にバンクーバーの中国人人口が一気に増える結果となりました。それに伴い、多額の香港マネーがバンクーバーの不動産に投資され、当時の住宅建築ブームを支える活性剤となりました。

1985年に2000万円で購入できた家が1995年には4000万円で売買されました。その景気は一向に後退せず、2000年頃から更なる住宅建築のブームを迎え、1985年に2000万円の家が2005年には6000万円の値が付くようになりました。2010年の今日現在では その家が8000万円で売買されています。それでも住宅不足の為、住宅建築着工数が減退することは有りません。

日本でバブルを経験している人達全員が口を揃えて「それはバブルだ!」などと断言しましたが、しかし日本で見られたバブルの背景とバンクーバーの住宅建築ブームの背景には大きな相違点があります。日本のバブルでは無担保によるずさんな融資がバブルの根本的原因とされましたが、バンクーバーでは銀行による融資前の厳しい審査は昔も今も変わっていません。つまり充分な経済的基礎が確立された上で伴った繁栄なのです。ですからバブルとはなりませんでした。

2007年にアメリカ合衆国で発生したサブプライムによる経済混乱は世界中に影響を与えました。バンクーバーでも住宅建築着工数、及び住宅価格に影響を与えましたが、それは横ばいに留まるだけに終わりました。世界各国で見られたような商業取引の縮小や破綻は無く、雇用問題は発生せず、そして2010年のバンクーバー冬季オリンピック開催地として、美しいバンクーバーが以前に増して世界に知られるようになり、2010年後半となった今、バンクーバーの経済は更に発展しようとしています。


ところが今になって 世界各国の科学者、経済学者、歴史学者がこぞって重大な警告を発したのです。2011年の半ば頃から 地球規模の変化 が生じる事が確実視されるようになりました。今年の夏、日本 及び世界各国で記録された猛暑は地球規模の変化なんかでは無い 予想内の異変だそうです。そうだとすると「地球規模」とはどの程度の規模なのか、実に気になる所です。

地球規模の変化 の具体例として、先ずアメリカ合衆国の経済問題を取り上げて見ます。

カナダの経済は商品としての豊富な天然資源と、その商品の巨大マーケットとしてのアメリカ合衆国の購買力に依存しています。しかしそのアメリカの購買力に暗黒な雲行きが見え始めたのです。世界の大国としての地位が確実に衰退しているのが明白な現状で、これ以上のアメリカ合衆国の国債発行は「無謀過ぎる」と解釈されるべき事態なのです。つまり借金で雪だるま状態になり、資金繰りに行き詰った家庭が、家族を養うためにサラ金に頼らざるを得ない状況となったのです。そのサラ金から融資を受けるべき金額は年収の20倍とあれば、ただ事ではありません。アメリカは毎年貿易赤字を出していますから、サラ金の返済どころか、その金利の返済さえも出来ないのは明白なのです。この事を察してか、ニューヨーク・ウォール街での今日のゴールド価格が記録的な高値を示している事実は、米ドルからゴールドへの買い替えが最近は特に活発となった事を裏付けます。賢明な人は既に行動を開始している事を意味します。アメリカ合衆国による「デフォルト」が決行されるのは ただの可能性に留まらず、その日は確実に迫りつつあるとされています。


次回の「カナダからの便り」では地球規模の変化として次ぎに考えられる問題に関して取り上げて見ようと思います。

山中


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